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ポリイミド(PI)テープとは?特徴や用途を解説

  • 製品コラム
  • 2023/09/11

ポリイミド粘着テープは、ポリイミドフィルムを基材とし、片面または両面に粘着剤を塗布した粘着テープを指します。250℃以下の高温環境下で使用できる粘着テープとして、電子機器の部品実装のリフロー工程や耐熱用マスキングとして使用されています。

この記事では、ポリイミド粘着テープの特徴や用途について解説します。

ポリイミド粘着テープとは?

ポリイミド粘着テープに使用されるポリイミド(Polyimide)は、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類されるプラスチックの一種で、分子構造の主鎖にイミド結合をもちます。プラスチックの中でも最高レベルの耐熱性と寸法安定性をもちます。

このポリイミドフィルムに片面あるいは両面に粘着剤を塗布した褐色半透明の粘着テープがポリイミド粘着テープです。耐熱性と寸法安定性に優れるため、高温環境下の電子機器部品等のリフロー工程や耐熱マスキング用途に多く使用されています。

ポリイミド粘着テープの特徴(メリットとデメリット)

ポリイミドには上記の通り、耐熱性や寸法安定性、絶縁性に優れる特徴があります。このポリイミドの特徴を利用した粘着テープのメリット・デメリットについて解説します。

●メリット

・耐熱性に優れる

ポリイミド単体の最高使用温度は400℃以上とされ、プラスチックの中で最高クラスの耐熱性を誇ります。
ポリイミド粘着テープでは、粘着剤を塗布しているため単体使用に比べると最高使用温度は下がりますが、250℃に設定されているものが一般的です。

・寸法安定性に優れる

ポリイミドはプラスチックの中でも寸法安定性に優れています。プラスチックの中には急激な温度変化により、樹脂が膨張・収縮するものもありますが、ポリイミドは温度変化による線膨張係数が小さく、高温環境下で使用しても寸法を維持することができるため、ポリイミド粘着テープ貼付後は剥がれやズレを抑えることができます。

・電気絶縁性に優れる

ポリイミドは電気絶縁性にも優れ、電子回路材料の絶縁基材としても使用されます。他の汎用樹脂に比べ、幅広い温度域で電気特性が安定しています。

●デメリット

・価格が高い

他のプラスチックに比べて、耐熱性に非常に優れ、汎用樹脂と比較して加工が難しいことからコストのかかる素材となっています。

ポリイミド粘着テープの主な用途

ポリイミド粘着テープは、ポリイミドの特徴を生かし、耐熱性、寸法安定性、絶縁性の求められる用途で使用されます。高温環境下で激しい温度変化が発生するリフロー工程では、部品の保護や固定用として使用されています。その他にも、高温環境下での部品同士の接着にも使用可能です。

ポリイミド粘着テープの紹介

ポリイミド粘着テープは、優れた耐熱性、寸法安定性、電気絶縁性から電子・電気機器関連で非常に活躍しています。弊社では、下記のポリイミド粘着テープを取り扱っています。用途ごとのご提案も可能ですのでお気軽にご相談ください。

API-114A FR (片面粘着タイプ)

ポリイミドフィルムを基材とし、片面にシリコーン系粘着剤を塗布した高耐熱粘着テープです。耐熱・電気絶縁を必要とする用途に適しています。片面粘着なので高温環境下のリフロー工程等での部品のマスキング保護が可能です。最高使用温度は250℃です。

ポリイミド粘着テープ(片面粘着タイプ)

API-214A(両面粘着タイプ)

ポリイミドフィルムを基材とし、両面にシリコーン系粘着剤を塗布した高耐熱粘着テープです。厚みも薄く両面テープなので、高温環境下で部品を接着する用途におすすめです。最高使用温度は250℃です。

ポリイミド粘着テープ(両面粘着タイプ)

API-214AE(片面強粘着・片面微粘着タイプ)

ポリイミドフィルムを基材とし、両面にシリコーン系粘着剤を塗布した高耐熱粘着テープです。片面は微粘着仕様のため、リフロー工程の基板等の仮止め・保持用途におすすめです。最高使用温度は250℃です。

ポリイミド粘着テープ(片面強粘着・片面微粘着タイプ)

まとめ

ポリイミドは、スーパーエンジニアリングプラスチックの中でも非常に優れた耐熱性と寸法安定性を持つことが大きな特徴です。そのためこのポリイミドを応用したポリイミド粘着テープは250℃以下の温度環境下で絶縁や耐熱マスキングとして使用することができます。弊社ではリフロー工程の部品固定や耐熱マスキングにおすすめのポリイミドテープを取り扱っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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